2015年度 沖縄県の産業振興・中小企業政策に対する中小企業家の要望と提言

■ はじめに

  1. 金融・税制問題について
  2. 県の中小企業支援施策等、諸施策について
  3. 沖縄21世紀ビジョン、中小企業憲章・条例について
  4. 一括交付金について
  5. 観光産業の振興について
  6. 建設産業の振興について
  7. 情報産業の振興について
  8. 環境問題について
  9. 女性の地位向上・社会参画について10.福祉について

はじめに

 私たち沖縄県中小企業家同友会は、会員企業を対象に2月26日から3月31日の期間、1「金融・税制問題」、2「県の中小企業支援計画や県単融資等の諸施策」、3「沖縄21世紀ビジョン」、4「中小企業憲章・中小企業振興基本条例」5「一括交付金」、6「産業振興-観光・建設・情報・環境」、7「女性の地位向上」、8「福祉」の8項目について、アンケート調査を実施しました。私たちは、このアンケート結果をふまえ、さらに各々の部会(観光・建設・情報・環境・女性)、専門委員会等で検討を重ねてきました。つきましては、以下の通り「沖縄県の産業振興・中小企業政策に対する中小企業家の要望と提言」を行います。

(2015年6月11日)

1.中小企業振興基本条例・中小企業憲章について

(1)中小企業に対する金融機関の融資について

中小企業に対する金融機関の融資姿勢について、昨年と比較すると「これまで以上に親切に対応してくれる」という回答は(17.0%)から(26.5%)と9.5ポイント上昇し、「これまでと変わらない」(61.9%)と合計すると(88.4%)となります。「貸し渋り」についても(1.8%)から(1.7%)と減少しています。金融機関の姿勢が厳しくなった時期と比べ、ここ数年は中小企業への対応が改善されています。一方、金融機関に対する主な意見では

  • 「融資を『担保の有無』や『損益など数字』のみで判断する傾向が強い」
  • 「取引先の事業内容や業界の知識が乏しい」
  • 「企業育成のバンクとなってほしい」などです。

県信用保証協会に対する主な意見では、                   

  • 「一定期間で何度も同じ書類を提出するのは大変。手続きが面倒だ」
  • 「迅速な資金提供を望む」などです。

こうした中小企業、利用者の声をふまえて、以下のことを金融機関に働きかけるよう要望・提言します。

  1. 企業育成のため、赤字でも成長が期待できる企業には積極的に融資を拡大すること。
  2. 自己査定能力を高め、事業性評価に基づく融資を拡大すること。
  3. 金融機関と信用保証協会の迅速な審査。業種・業態の変化に対応した柔軟な審査を行うこと。

(2)第三者連帯保証・経営者(個人)の保証について

沖縄同友会で第三者連帯保証・経営者(個人)保証ガイドラインについて調査を行いました。融資を受ける際、親族等第三者の連帯保証を提供しているかについては、「している」(31.5%)、「していない」(55.4%)、という結果になりました。また、融資を受ける際、経営者保証、あなたの個人保証を提供しているかについては、「している」が(68.1%)と7割弱の企業で個人保証を提供している現状が明らかになりました。また、2014年2月1日から適用された「経営者の個人保証に関するガイドライン」については、(67.9%)が「知らない」と回答しており、具体的には金融機関との協議で保証を外すことができたのは(1.8%)にとどまり、(85.0%)が具体的には動いていないと回答しています。つきましては、これらを踏まえ、以下のことを要望・提言します。

  1. 「経営者の個人保証に関するガイドライン」を、県や金融機関から県内企業に広く広報・周知を行うこと。
  2. 上記ガイドラインに基づき、一定の条件を満たした企業については、経営者の個人保証を求めないことを実行するよう、金融機関へ働きかけること。

(3)税制問題について

 消費税増税に関するアンケートによると、「昨年の消費税増税(8%)の影響が残っていますか?」の問いに、「残っている」は(39.6%)となり、2017年4月に予定されている消費税再増税(10%)については「悪影響がある」が(73.5%)にのぼり、消費税は経営上の懸念事項となっています。また、外形標準課税について、今後、中小企業に適用された場合「悪影響がある」が(60.0%)となり、6割の企業が危惧を抱いています。つきましては、これらを踏まえ、以下のことを国・関係機関に働きかけるよう要望・提言します。 

  1. 中小企業への軽減税率はデフレを脱却し国内景気が安定するまで継続すること。 
  2. 外形標準課税の中小企業への適用除外を求めること。

2.県の中小企業支援策等、諸施策について

(1)県の中小企業支援計画等について

県は、毎年度の「中小企業支援計画」を決定し、ホームページ等で告知しています。これまで、多くの中小企業が支援計画や県単融資制度について知らない状況がありましたが、同友会会員へのアンケートの結果では、中小企業支援計画について「知っている」は回答者全体の(37.9%)で昨年の(30.9%)から7ポイント伸び、認知度が上昇していることが分かりました。

支援計画の5つの基本方針に関する関心度では、第1位「経営基盤の強化」(65.4%)、第2位「資金調達の円滑化」(33.5%)、第3位「経営革新の促進」(27.4%)、第4位「環境変化への適応の円滑化」(22.9%)と続いています。

県の中小企業支援事業・施策についての意見としては、「制度・施策の周知徹底のための行動、諸PR活動が少ないと思う」、「県は数多くの個別企業と面談し、真の実態を把握する。その動態的分析結果を直視して施策に反映させる」「制度設計が顧客のニーズに適合しているか十分に吟味検討する情熱を持つ」「中小企業支援課が設置されてから、県の中小企業支援策が中小企業者の視点に基づいて実施されていることを高く評価する。そのうえで、よい施策がなかなか浸透しないのは、事業者への告知が十分でないことや資金調達のハードルが高いことなどがあげられる。もっと、担当人員を増やして各市町村や金融機関へ働きかけられる体制をつくっていただきたい」などの声もあります。

こうしたアンケート結果をふまえ、次年度以降の策定にあたり次のことを要望・提言します。

  1. 「中小企業支援計画」の内容について、攻めの広報を研究し、周知徹底の強化を図ること。
  2. 中小企業支援課の人員を増員し、中小企業や経済団体、各市町村、金融機関訪問などを数多く行い、より実態に即した中小企業支援計画の策定に努めること。
  3. 県内外の自治体の事例を参考に、県の若手職員の民間企業への研修や出向制度などを構築し、地元中小企業の発展に対して強い想いを持った職員の育成に努めること。

(2)県単融資について

 県経済は建設業や観光産業を中心に堅調な推移を示し、それに伴い資金需要も活性化し、県単融資制度の予算執行率は2012年度(26.2%)から2013年度(44.5%)と大幅に改善し、2014年度も(41.7%)と前年に比べると若干減少したものの、引き続き好調に推移しています。また、中小企業振興会議等での関係団体の提案を受け、具体的に制度改善が進められてきています。同友会では昨年度と同様に、県単融資等の諸施策の利用状況を調査した結果、昨年の(9.2%)から1.7ポイント伸び(10.9%)と上昇したものの依然として著しく低い利用率であることがわかりました。

県単融資等の諸施策を利用したことがないという回答者に対してその理由を調査したところ、第1位「必要性がない」(42.6%)、第2位は「制度を知らなかった」(34.6%)、第3位は「他の金融機関の資金の方が借りやすい」(16.7%)となっています。どの資金を利用したかについての調査では、件数は少ないものの、「小規模企業対策資金」が41.2%でもっとも高く、続いて「経営振興資金」、「小規模対策資金」、「小口零細企業資金」が同率で17.6%と続いています。

県単融資制度の利用率を高めるために必要なことの調査では、第1位に「PRの方法をもっと工夫する」(54.5%)、第2位に「支援計画や融資制度を策定する段階で、中小企業の声を聞く」(21.0%)、第3位に「貸付要件の見直し」(18.2%)と続いています。具体的な意見としては「担当税理士からの紹介でした。とても良い制度なのにPR不足では」、「知らないと損だけど、それを調べたり見たりする余裕のない人が多いのでは?自分の会社で活用できることがあるか否かも解っていないと思う」などです。

さらに実効性のある制度となるようアンケート調査の意見を踏まえ、以下のことを要望・提言します。

  1. 沖縄県単融資制度の案内リーフレットに、利用者の声や他の金融機関の融資商品との違いを掲載するなど、利用したくなる紙面づくりを行うこと。
  2. 専門家(税理士、中小企業診断士、行政書士等)や金融機関、主要経済団体を対象に県単融資制度の利用率向上のための学習会や意見交換会を実施すること。
  3. 県単融資事業等において、中小企業者の負担を軽減するため、沖縄県信用保証協会の保証料の低減や実質的に利用率の低減につながるよう保証料、利子補給制度などをさらに充実させること。
  4. 手続きの簡素化」を図ること。
  5. より多くの中小企業者が利用できるよう、貸付要件の見直しを行い、審査期間の短縮・明確化に努めること。

3.沖縄21世紀ビジョン、中小企業憲章・条例について

(1)「沖縄21世紀ビジョン基本計画」について

「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の内容について、アンケートの結果は、自社の経営に「活かしている」(シッカリ読んで積極的に活かしている(4.2%)+少しは活かしている(15.7%))が(19.9%)で前年の(19.0%)から0.9ポイント上昇し、「活かしていない」(活かしていない(33.0%)+読んだけど分からない(7.9%))が(40.9%)で前年の(39.6%)から1.3ポイント上昇しています。また「まだ目を通していないので活かせるか分からない」は(35.1%)で前年の(37.3%)から2.2ポイント減少しており、2項目で、微増ではあるが改善傾向にあります。また、今年度は「21世紀ビジョンで県が取り組んでいる海外展開の推進」についての要望を聞いたところ、「国、JICA、JETRO、県、産業振興公社などが各メニューで支援を行っていますが、どれを使えば良いか判断に迷う。総合的に案内できるワンストップサービスがあれば良い」、「現在県は、万国津梁産業人材育成事業や海外ジョブチャレンジ事業を単年度でおこなっているが、同様の事業の複数年版等が必要であると思う。人的ネットワークやあるいはグローバル人材の育成はある程度の期間が必要である」などの要望がありました。

つきましては、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」についても引き続きPDCAを確実に回しながら、年次、中期の結果と評価を県民に広く広報するよう次のことを要望・提言します。

  1. 成果指標の達成基準を県の事業実施責任者のみで作っている場合は自己満足に陥りやすい。事業によっては、同友会、商工会議所・商工会など第三者の評価も取り入れること。
  2. 2014年度の評価・検証結果がまとまった段階で、同友会への説明会・意見交換会を実施すること。
  3. 海外展開については、国、県、関係機関の支援メニューを総合的に案内できるワンストップサービス窓口の設置を検討すること。
  4. 万国津梁産業人材育成事業や海外ジョブチャレンジ事業など、グローバル人材の育成に関する事業については複数年版も実施すること。

(2)「沖縄県中小企業の振興に関する条例」について

2008年3月に「沖縄県中小企業の振興に関する条例」が制定・施行されてから8年目となります。この間、沖縄同友会からの要望・提言等が反映され、「中小企業振興会議」や「地域部会」の運営についての見直しが図られ、中小企業の声を吸い上げ、施策に反映する仕組みが機能しはじめています。昨年に続き、中小企業振興基本条例のメリットと思われることについて調査を行った結果、第1位は、「中小企業の声が具体的に施策に反映される」(38.6%)、第2位に「地域の実体や課題を把握できる」(19.3%)、第3位は「行政マンの目線が中小企業者の視点に」(18.7%)、第4位に「地域の発展に具体的に寄与できる」(13.3%)、第5位に「自社の経営に活かせる」(10.2%)という結果になりました。

また、市町村ごとに「中小企業振興基本条例」が必要か調査したところ、回答企業のうち、「必要」(63.6%)、「不要」(2.7%)、「わからない」(33.7%)という結果になりました。これまで同友会で取り組んできた条例の普及・啓発の取り組みの成果で過半数以上が「必要」と答えているものの、「わからない」との回答が3割近くもあることは課題といえます。今後、より多くの中小企業の声を吸い上げ、施策に反映させていくためには、引き続き条例の意義やメリットについて啓発を続けるとともに、まだ条例が制定されていない市町村での条例制定が不可欠です。

こうしたことを踏まえ、以下のことを要望・提言いたします。

  1. 「沖縄県中小企業の振興に関する条例」の意義をより多くの中小企業が認識できるよう、制定・施行されてから8年の成果と課題をまとめ、広報すること。
  2. 全市町村での条例制定が実現するよう、市町村への働きかけを行うこと。また、改めて各市町村に対し、条例に対する意識調査を実施し、必要でないとの回答に対しては、その理由についても調査を行ってほしい。制定済の5市については、制定後の取り組み状況、成果、課題を調査し、とりまとめてもらいたい。
  3. 各地域部会で、どのような運営・議論が行われているのかについての情報共有(議事録をホームページ上に公開する等)を行い、運営や議論の進め方の改善に生かすこと。

(3)「中小企業憲章」について

2010年6月に閣議決定された「中小企業憲章」には、「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」と記されており、政府として初めて中小企業の経済的・社会的役割などについての考え方を示し、政策の理念・考え方を整理した画期的な文書です。同友会では、この「中小企業憲章」を多くの中小企業に認知してもらうため、6月を「中小企業憲章・条例推進月間」と位置づけ、イベント開催など、普及・啓発に取り組んでいます。今回「中小企業憲章」の認知度について調査をしたところ、「知っている」(57.1%)、「知らない」(42.9%)という結果となりました。

前年に続き、憲章で示された8つの行動指針のうち、特に力を入れてほしい取り組みを調査したところ、第1位に「人材育成・確保支援」(60.5%)、第2位に「経営支援の充実」(55.7%)、第3位に「金融円滑化」(25.9%)という結果となりました。

つきましては、これらを踏まえ、「中小企業憲章」について、以下のことを要望・提言します。

  1. 中小企業家同友会で取り組んでいる「中小企業憲章・条例推進月間」の取り組みに、県としても積極的に協力し、沖縄同友会が取り組む「中小企業憲章シンポジウム」への後援を行うこと。次年度以降の取り組みに関しては、県と同友会の共催事業として、主体的に関わってもらいたい。
  2. 中小企業憲章の行動指針の中で特に関心の高い「人材育成・確保支援」については、県経済が抱える喫緊の大きな課題となっており、この課題について、中小企業振興会議、もしくは別会議を設置し、当事者である中小企業をはじめ、県雇用政策課、沖縄県大学就職指導研究協議会、沖縄県専修学校各種学校協会、沖縄県教育委員会なども交え、抜本的な対策を講じること。
  3. 以下の3点を政府・関係機関に働きかけること。
    ・中小企業憲章を閣議決定にとどめず、国民の総意とするため、国会決議をめざすこと。
    ・首相直属の「中小企業支援会議(仮称)」を設置し、省庁横断的機能を発揮して、中小企業を軸とした経済政策の戦略立案を進めること。
    ・中小企業担当大臣を設置すること。

4.一括交付金について

平成26年度「一括交付金」1759億円。27年度は、1618億円 前年対比▲141億円、▲8.02%の減額予算について、忌憚のない意見を求めたところ、50件の意見が寄せられ、主な意見をまとめると〇そもそも、必要な予算なのか?○予算執行出来ないことの原因究明、使途の精査は必要。○政治的駆け引きに使われているのではないか?それが原因の減額だとおかしい。○多くの中小企業から聞き取りをし、県の政策に必要な一括交付金の予算を組むこと。等大きく4つの意見となっています。また、県・各市町村に求められる一括交付金を使った目出し事業は、今後何が必要だと思いますかの質問に対して、54件の回答が寄せられ、〇環境インフラ整備(空港・道路・港湾・情報等)○観光産業の基盤整備○人材育成・教育・雇用の確保○社会的弱者や介護・子育て支援等となっています。

政府の方針にもある、地方創生は、全庁的に横串を通すような部署の設置は無論、県全体で取り組むことは何なのかを考え企画することとし、さらに有意義な交付金の使い方が見えてくると考えられます。県から、各市町村へ政策をおろして実施するのではなく、さらに「一括交付金」が、より沖縄県民の繁栄と発展につながる施策となるよう、以下のことを要望・提言します。

  • ①多岐に渡る分野で、特殊性に起因する課題の抽出と、事業の目出しを行うため、多くの県民とのワークショップを定期的に開催し、「県民が何を必要としているのか?」ニーズを把握して企画すること。そのためには、開催時期と具体的な回数を年度初めに設定すること。
  • ②沖縄振興審議会で評価・検証を行う前に、検証シートの内容・事業の執行状況等の説明会を県民向けに各地で行い議論すること。そのためには、開催時期と具体的な回数を年度初めに設定すること。または、新聞・TV等にてアンケート募集の広告を行うこと。
  • ③県民全体で、一括交付金の評価・検証が行える仕組みを構築すること。ある一定額の事業規模を決めて、単年度ではなく複数年度追跡調査、検証を行うこと。
  • ④各市町村においても上記①~③を行うよう助言・提案を行うこと。どのような呼びかけ、助言を各市町村へ行ったかホームページ等で公表すること。

5.観光産業の振興について

(1)観光客受け入れのための交通渋滞緩和に向けた取り組みについて

入域観光客数増加をめざす本県において、交通渋滞は深刻な問題となっています。2015年8月に行われた観光産業の発展についての懇談会においても、県から具体的な取り組みについて説明がありましたが、今回、会員企業がこの件についてどのような考えをもっているのか調査をしたところ、第1位に「公共交通機関(バス・モノレール)の利便性の向上」(70.6%)、第2位に「県全体の交通網の再構築」(48.7%)、第3位に「県内要所での大型の公共駐車場の整備」(34.2%)、第4位に「県民レベルでの意識改革」(23.0%)という結果になりました。つきましては、これらの結果を踏まえ、以下のことを要望・提言します。

  1. 交通渋滞緩和に向け、県として、観光客と県民(地域住民)の両方の視点で描いたグランドデザインを公表し、業界団体や地域住民を交えたワークショップを実施すること。
  2. 「わったーバス党」等の公共交通機関利用の啓蒙活動を強化・拡大し、交通渋滞の緩和を促進すること。また、これまでの取り組みの成果(バス利用者がどの程度増えたのか等)を公表すること。

(2)リピータの満足度を高めるニューツーリズムを支える人材育成について

 沖縄観光は8割を超えるリピーターによって支えられており、こうしたリピーターを安定的に確保するためには、地域資源を活用したニューツーリズム商品(長期滞在型観光、健康保養型観光、民泊事業、エコツーリズム、グリーンツーリズム、メディカルツーリズム)などの充実が必要となります。これらの拡大・成長に必要だと思われることに調査ついて調査したところ、第1位に「各形態における安全や質を上げるための人材育成や情報交換」(55.4%)、第2位に「各々の取り組みでの専門的なコーディネーター、インストラクターの養成」(48.9%)、第3位に「県外・国外へのPR・誘客」(35.3%)、第4位に「新しい観光滞在型商品の開発(ライセンス・資格取得・花粉症・アレルギー対応等)」(32.6%)という結果になりました。  つきましては、これらの結果を踏まえ、以下のことを要望・提言します。○ニューツーリズムの安全性を高め、専門性の高いコーディネーターを養成するための情報共有や学習の場を設けること。

(3)新たな観光商品の開発について

 新たな観光商品開発に関しては、県内でまだ埋もれている観光資源の掘り起しが不可欠です。そこで、会員企業各社に、それぞれの地域にある観光産業となりうる資源について質問したところ、「米軍基地内コース」、「空手による長期滞在」、「三山時代の城の復元」、「沖縄の『人』、特に元気な『おじー・おばー』」などユニークな回答が多数寄せられたほか、現在那覇市が取り組んでいる「『那覇まちま~い』はとても素晴らしく、さらに新しいコース、メニューの広がりを期待します」などの回答もありました。つきましては、これらの意見を踏まえ、次のことを要望・提言します。

  1. 新たな観光商品の開発に向け、県として県内・県外・国外の先進事例を取りまとめ、観光関連企業との情報共有を図ること。
  2. 沖縄県内に埋もれている観光資源を掘り起し、新たな観光商品の開発を促進すること。(県民を巻き込んだ取り組みにするための「観光商品開発コンテスト」を企画してはどうか)

6.建設産業の振興について

建設業界においては、東日本大震災、東京オリンピック開催による影響で、急激な仕事の増加による技術者、職人不足による人件費増加、資材価格高騰など、業界を取り巻く環境は厳しい状況となっています。今回、建設業の未来を見据えて必要なことは何かについてアンケート調査を行った結果、「労働環境の改善」(54.0%)、「職人の増員」(44.7%)、「教育環境の改善」(44.7%)という結果となりました。

つきましては、建設産業が、地域の基幹産業として社会資本の基盤整備等、経済を先導する中核を担い、地域の活性化をもたらしている重要な立場にある事も考慮し、緊急に人材の確保、業界の労働条件の改善を図る必要があると考え、以下のことを要望・提言します。

(1)建設産業の職人不足について

現在県内の建設業界は構造的、慢性的な職人不足により、工事量の急激な増加に建設業界が対応できず、建設産業の衰退や公共工事における予算の未消化物件の増加が懸念されています。つきましては、現在の職人不足を解消すべく以下のことを要望・提言します。

  1. 適正な労務単価、資材単価に極力近づける為に、年2回の県の営繕単価、実施単価の改訂に合せ、定期的に業界団体と意見交換会を持ち反映させること。
  2. 雇用面で、積極的に待遇や人材育成、福利厚生など取り組む企業に対して、経営審査の加点をする等、一定の評価の対象とすること。
  3. 県内の建設産業における各業種の企業数、従業員数、県外流出労働者数、また、技能労働者育成事業に伴う修了生の実態調査を行い公表すること。

(2)ものづくり産業(建設産業)を支える技術者・技能者・労働者の確保・育成について

県内の特に建設現場では、技術者・技能者は必要不可欠な存在ですが、現在、若年労働者の建設産業への新規就職者は減少し、将来の建設産業を支える人材の不足が懸念され、人材の育成・確保が強く求められています。つきましては、将来の人材不足解消を目指し以下のことを要望・提言します。

  1. 小・中・高校生生徒のインターンシップの時間を増やすと共に、授業の一環で、建設産業従事の社会人を講師とした進路講話や公共施設の現場見学会を実施すること。
  2. 人材育成支援事業、奨学金制度を拡充し、コンサルや各建築団体に委託する助成制度を創設すること。
  3. 魅力のある産業をつくっていく為に、現在の労働者の環境改善(給与、労働時間等)が図れるよう、経営支援を行うこと。

(3)工事費予算、発注に伴う対応について

予算化された工事の予算書の作成、それに伴う予定価格の設定時期は、予算書の作成から設計業務終了後、半年、1年以上経過する場合があり、発注時期の実勢にそぐわない価格になる恐れがあります。また、現状では3月から5月は発注が少なく、6月から7月にかけて増える傾向にあり、受注側としても業務の繁忙時期とそうでない時期が発生してしまい、入札不調や辞退を余儀なくされ傾向にあります。つきましては適正な品質確保、契約事項を実行する為に以下のことを要望・提言します。

  1. 工事発注にあたり県側の企画段階での予定建設費について、過去物件(いつ頃の段階か不明)の単価を採用するのではなく、現状、または直近の建設資材及び労務費を反映した予算を設定すること。
  2. 1年を通してバランス良く発注できる仕組み作りを行うこと。

(4)物価スライド、数量公開に伴う対応について

建設工事における物価スライドにおいて、作業量増加における管理費の高騰で、原価管理に支障をきたしています。また、積算設計数量と工事実施数量に差異が発生した場合精算の対象とし、より良く実行することを希望します。つきましては、建設産業の経営環境改善のために以下のことを要望・提言します。

  1. 一般管理費、現場管理費も物価スライドの対象とすること。
  2. 発注時資料の「数量公開の説明書」で、‘参考資料(参考数量)‘という表現を削除すると共に、国に準じた対応を行うこと。

(5)都市計画用途地域の見直しについて

都市計画用途地域の見直しは、都市計画審議会等により十分審議され決定されています。市町村を取り巻く経済情勢や社会状況等の変化に対応しつつ、将来にわたり持続可能な発展を目指すために、より実態にあったものが求められており、見直しが必要だと思慮しますので、次のことを要望します。

  1. 実態調査を行うこと。
  2. 関連する各専門業界団体との意見交換会を持ち見直し案作成に反映させること。

7.情報産業の振興について

(1)「IT津梁まつり2016」実施における県及び教育サイドからの支援について

 当県の経済を支えるIT産業の育成は、県政の大きな課題です。そのIT産業の中核であるソフトウェア産業を発展させるためには、人材確保が重要です。現状では県内の企業だけではなく、本土から進出する企業からも、沖縄で人材が確保しづらいという声が上がっています。沖縄のIT関連の人材確保に関しては危機的な状況にあるといっても過言ではありません。IT産業の魅力を伝えるためにこれまで以上の取り組みが必要です。

中小企業家同友会は県内の学校やIT企業、業界団体と一緒になって、沖縄県の予算もいただいて「IT津梁まつり」に取り組んできました。これは、今までの産学官連携という概念の枠を超えて、高校生と企業が互いに直接協力して行うという全国でもユニークな取り組みです。先生方からも「通常の授業では得られない成長がある」と高く評価されています。また、IT人材育成は指導者育成であるという観点からも先生方と企業の連携は大きな意義があると考えています。

これまでに引き続く課題として、専門学校や工業高校、大学だけではなく圧倒的に多い普通高校の参加を促す必要性があります。普通高校の「情報」教科の先生方とも連携をとり、企業と高校生の情報を交換し、互いに研鑽を行う場を提供したいと考えています。中小企業家同友会は、沖縄のIT産業の振興を目指し、以下のことを要望・提言します。

  1. 教育委員会や義務教育課からも、各学校(高校、中学校、小学校)へIT津梁まつりへの参加を呼び掛けること。参加は授業の一環として位置づけること。
  2. 情報関連及び進路指導の先生方(高校、中学校、小学校)が民間と一緒に行うワークショップや勉強会に参加できるよう、環境作りをしてほしい。教員のための民間IT企業でのインターンシップを行えるようにすること。IT人材育成のための、行政、教育関係、企業等を交えた推進委員会を設置すること。

(2)ITの利活用の促進とIT産業育成・支援について

  中小企業においても戦略的IT経営が求められており、県内中小企業のIT化の促進についての調査では、第1位に「集客(ホームページでのPR、SNSの活用、ネット販売等」(53.0%)、第2位に「業務効率化(会計システム、文書管理システムの導入)」(33.7%)、第3位に「情報共有(社内LAN、グループウェア、SNS等、メール)」(16.3%)という結果となり、県内中小企業のIT化を促進するためには何が必要だと思いますかのアンケート調査を行った結果、第1位に「IT化への助成制度の創設」(47.5%)、第2位に「無料専門家派遣」(44.6%)、第3位に「IT化の相談に対する窓口の設置」(32.4%)、第4位に「ブロードバンド整備」(20.9%)という結果が出ました。ITの利活用による売り上げ向上、業務改善などIT化の必要性は感じているが、具体的な導入までは至っていないのが現状です。観光に次ぐ基幹産業として位置付けているIT産業の発展のためにも県内需要を喚起し、ますます増加していく観光客へのニーズに応えるためにも県内中小企業のIT化の推進は必要不可欠といえます。

また、ITアイランドを実現するために、具体的な意見としてあがっている「ネットがすべての家庭で使用できるようにする」、「高齢化社会に向けサービスのシステム開発」、「福祉のシステムづくり」、「ビックデータ活用による新しいサービスの発掘やインフラ整備による雇用創出、地域でのコアワーキング」等も推進していく必要があります。

つきましては、これらを踏まえ、県が「21世紀ビジョン」で掲げる「県内立地企業の高度化・活性化」をはかるためにも、以下のことを要望・提言します。

  1. IT化の遅れている県内企業の生産性、競争力を高め、県内のIT需要を掘り起こすため、県内中小企業のIT導入に対する支援制度の拡充及び公報活動を強化すること。また、IT化の相談に対するワンストップ窓口を設置すること。
  2. より多くの県内中小企業が戦略的IT経営に取り組む機会を増やすため、国や県の専門家派遣制度の広報活動を強化し、予算の拡充を行うこと。
  3. IT産業と他産業の連携を推進するための事業を充実させ、より多くの情報関連企業が他産業との連携を図る機会を増やすこと。
  4. 技術取得に時間を要するIT企業が、積極的に高校生を新卒で採用出来るよう、企業に対する育成費用等の助成金制度を創設すること。
  5. 県外企業及び海外企業との共同プロジェクトなど県内IT企業が県外及び海外展開を図るための施策の充実及び公報活動を強化すること。

8.環境問題について

 環境問題は地球温暖化問題などで近年関心が高まっていますが、今を生きる我々、子や孫、何代も先の子孫が健康で幸せに暮らせるように、持続可能な社会の構築に取り組み続けなければなりません。そのため、環境問題は非常に重要なテーマです。沖縄県においては2012年5月に発表した「沖縄21世紀ビジョン基本計画(沖縄振興計画)」において、環境に関する基本施策として「自然環境の保全・再生・適正利用」「持続可能な循環型社会の構築」「低炭素島しょ社会の実現」を掲げています。素晴らしい内容であり、実現のために着実に施策が実施されることが望まれます。しかしながら、地球温暖化問題の数値は、2015年3月に公表された「沖縄県地球温暖化対策実行計画進捗管理報告書」によると、2012年度における県内の温室効果ガスの総排出量は、1,338.7万トンで、基準年度(2000年度)の総排出量1,251万トンと比べ、87.7万トン(7.0%)増加し、2020年度の目標である1,251万トンを実現するためには87.7万トン(7.0%)の削減が必要とされています。そのような中、私たち沖縄県中小企業家同友会は、持続可能な環境保全型社会と循環型社会の構築をめざし、①環境保全型企業づくり、②環境ビジネスと市場創造、③環境保全型・循環型地域づくりを基本に環境問題に取り組んでいます。ついては、次のことを要望・提言いたします。

(1)「第2次沖縄県環境基本計画」について

  1. 当会会員向けアンケート(2015年2月)で同計画の認知度を調べたところ、回答者のうち同計画を知っていると回答したのは20.7%で前年の17.4%から3.3ポイント上昇しています。同計画では事業者の参加・連携・協力が求められていますが、同計画を知らなければ参加のしようがありません。ついては、県と当会が協力して認知度を高められる方策を考えていくことを提案します。
  2. 同計画では事業者の環境保全活動への取り組みを求めているので会員の取組状況を調べたところ、上位5位は次のようになりました。
    ①廃棄物の減量化(41.4%) ②従業員への環境教育(27.2%) ③再生エネルギーの活用(25.9%) ④エコドライブ(24.1%) ⑤環境マネージメントシステムの導入(19.8%)。同計画において県民の参加も求めているので、県民の一部でもある従業員への環境教育について支援(助成金、講師派遣など)を要望します。

(2)地球温暖化防止対策、クリーンエネルギー推進、低炭素都市づくりの推進について

2008年に始まった住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金、2009年11月から始まった「太陽光発電の余剰電力買取制度」、2012年7月から始まった「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」などの相乗効果により、近年太陽光発電は急速に導入が進んでいますが、2015年度から一気に顕在化した系統連系問題により、太陽光・風力発電などの導入、推進が目標を見失った状況と思慮しています。系統連系問題については国の関係省庁、沖縄電力などとの連携により、 技術的な改善策を追求し、また、国内のエネルギーを取り巻く環境は東日本大震災や系統連系問題などにより大きく変化していることから、沖縄県エネルギービジョン・アクションプラン(2013年度策定)の見直しを要望します。

(3)資源リサイクル施策の具体化について

 環境省の資料によると、2012年度の一般廃棄物のリサイクル率は全国平均20.4%で、これに対して同年の沖縄県のリサイクル率は14.4%と全国に比べ資源リサイクルへの取り組みが著しく遅れています。沖縄県廃棄物処理計画(第3期)(2011~2015年度)では、2008年度実績(12.3%)を踏まえた2015年度目標値を22%としていますが、具体的施策が乏しい状況です。打開策としてそのほとんど焼却されている「その他プラスチック製容器包装」について、一括交付金などを活用した市町村での分別・収集の推進策の実施を要望します。

(4)エコドライブの推進とエコアクション21(EA21)の普及強化について

  1. 「沖縄県地球温暖化対策実行計画進捗管理報告書」(2015年3月)によると、県による「エコドライブ教習会」の受講者人数は2014年度で2,613人(13年度は2,424人)の状況で、まだ県民のほんの一部の受講人数にとどまっています。教習会前後における燃費比較は、平均値で18%削減が報告されています。教習会受講者は効果的なCO2削減事業、しかも交通事故防止にも繋がる事業ですので、関係部署が連携し、継続的な教習会などの開催を要望します。
  2. 「沖縄県地球温暖化対策実行計画進捗管理報告書」(2015年3月)によると、「エコアクション21認証・登録事業者数」は2013年度で75件(12年度は75件)の横ばい状況が続き、県内のEA21の認知度はまだまだ低い状況にあります。県主催によるEA21普及セミナーは、数年実施されていますが、本年度以降も継続的なセミナー開催により中小事業者への一層の普及啓発と、県内市町村へのEA21取得に向けた指導を図ることも要望します。
  3. 関係団体はEA21認証取得事業者に対する沖縄県建設工事入札参加資格審査項目への採用を要請してきましたが、2011年度から5点の加点が行われています。但し、ISO(13点)と同一評価になっていません。EA21促進のため2017年度からは同一加点を図ってください。

9.女性の地位向上・社会参画について

 安倍内閣は、『女性が輝く日本』の実現を掲げ、少子化や労働力不足の解消等を目的に、国や地方公共団体より様々な支援を打ち出しています。今回、会員企業に事業所内保育施設設置助成、子育て期短時間勤務支援、中小企業両立支援等の制度について調査したところ、「知らない」(57.1%)が「知っている」(42.9%)を上回ったものの、知らないと答えた企業の約8割が「説明会を聞いてみたい」と希望するなど、多くの会員企業が女性社員の労働環境改善や整備に対し積極的であることが分かりました。中小企業のモチベーションが上昇傾向にある今こそ、中小企業と制度を執行する側との情報共有やコミュニケーションが重要と考えます。

また、各社の育児・介護休業の取得状況の調査では、「男性に取らせた」は(5.1%)で、男性の取得日数は10日以内が3件、2か月以上が6件と、男性職員の育児休業取得は、いまだ極めて少数でした。また、女性のキャリア中断については、第1位が「子育てなどを最優先に考え1年は仕事を休むべき」(54.4%)、第2位が「休業中の経験は戻ってから仕事に活かせるので、休業は会社にとってマイナスなこととは考えていない」(45.0%)の回答が得られ、子育てしながら「ひとりひとりの豊かな人生」をめざす積極的な経営者の姿勢が読み取れます。

一方、職員に育児や介護休業を取得させなかった企業からは、第1位に「社内制度はなく、従業員からも要望はない」(53.5%)、第2位に「制度はあるが、従業員からの要望がない」(29.3%)という回答から、制度の実施については企業間でばらつきがあり、制度の活用には企業差が大きいことが分かりました。

女性の活躍の課題を解決するには、女性の頑張りだけに期待せず、男女共同による社会参画のライフスタイルの実現の推進が不可欠です。これらを踏まえ、以下のことを要望・提言します。

  1. 男女共生参画社会に向けた課題の整理とガイドライン等を策定すること。
  2. 中小企業者に対し、事業所内保育施設設置助成、子育て期短時間勤務支援、中小企業両立支援等の国の支援制度についての説明会を実施する等、普及・啓発の取り組みを強化すること。
  3. 女性が働きやすい社会を創ることを目的とした支援制度の現状把握と課題を抽出すること。
  4. ライフステージや多様化する生き方・働き方に対応するための産官連携のネットワークのあり方について検討を行うこと。
  5. 上記の課題をはじめ、沖縄の中小企業で働く女性を取り巻く課題の解決に向け、真剣に話し合える同友会との協働ワークショップ(もしくは円卓会議形式)を発足すること。

10.福祉について

(1)障がい者雇用の促進を

 障がい者と健常者が垣根なく共生できる社会の実現こそ真に豊かな社会といえます。先日、県担当部局との懇談会において、1年間の県内の障がい者企業規模別就職件数の結果が公表(沖縄労働局)され、企業規模別就職件数では、全体の50%以上が法定未満の中小企業(50人未満)が雇用している現状が明らかになりました。今回同友会が独自に実施したアンケートの中でも、法定未満の中小企業が全体の内(80.7%)を占める中、「雇用している」が(26.1%)で「雇用を検討している」が(10.9%)となり、法定未満の企業も積極的に障がい者雇用に取り組み、また今後雇用を検討している企業もあることがわかります。多くの中小企業が障がい者を雇用しやすい環境づくりが求められており、次のことを要望・提言します。

  1. 障害者雇用納付金制度にある報奨金のように、法定未満の企業でも積極的に障がい者雇用を進めている企業を応援する県独自の制度を創設するとともに、国にもはたらきかけること。
  2. 障害者施設、行政、学校、医療機関、企業の障がい者雇用に関わるネットワークについて、実際の就労現場の課題が議論できるように構築すること。
  3. 障がい者雇用後のサポート体制(ジョブサポート等)の市町村単位での実施状況を公表し、拡充するよう働きかけること。
  4. 「沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例」の認知度を高めるため、積極的な広報・周知活動を行うこと。
  5. 沖縄同友会が推進している障がい者問題を考える「雇用・就労支援フォーラム」への県の積極的な参画を継続し、中小企業の障がい者雇用についての認識を高めながら、より一層障がい者雇用が推進できる環境をつくること。

(2)介護職員の労働環境と働く介護者への行政支援の充実を

 後、高齢化が進む社会にあって、益々必要となる介護職においては人材確保や定着が非常に困難な状況となっています。また、働きながら高齢者を介護する介護者を支える仕組みづくりが求められており、次の事を要望・提言します。 

  1. 働きながら在宅介護をしている介護者への企業の取り組みに対して行政支援の制度を拡充すること。
  2. 民間・行政と一体で介護職員の労働環境についての問題解決の手がかりを探す為のネットワークをつくり、労働環境と処遇改善に向けて取り組む体制を構築すること。

以上。