茶論

茶論(2012年4月)

▼「光陰矢のごとし」の諺どうり、月日の経つのは速いもので、東日本大震災から、はや一年の月日がたってしまった。▼その間、この大震災の科学的検証や被害を最小限におさえる対策、予知の可能性等、いろいろな議論がなされてきてように思える。▼そのようななか先人の方々の貴重な知恵に目が向けられ始めた事は、素晴らしいことだと考える。▼一方、行政の改革で市町村の合併や観光開発で、安易な地名の変更が近年目立つ、そのような現状に警鐘を鳴らす方がいる。▼京都大学卒、著述業の楠原佑介さんである。氏の提唱によれば、古い地名には、かって地震や津波の自然災害をもたらしたことのメッセージが濃厚にこめられているという。▼氏の半世紀以上の地名の研究から、確信を得たようだ。例えば、女川や小名浜は津波の常襲地、オナとは、雄(男)波のことで、つまり、津波が何回も襲った地名だという。▼また、阪神・淡路大震災のおり、被害が集中した灘地区は、(雪崩のように)ナ(地面)がタレ(垂)れる土地、つまり崩れやすい陸地の呼称だとか、▼先人たちは、頻発する地震、津波、噴火、崖崩れ、風水害を決して忘れないようにと地名に残し、子孫に伝えようとしたに違いない。▼地名は自然災害のハザード・マップ、大切にしたいものだ。

茶論(2012年3月)

経営方針発表会で、某ご来賓のコメントにドキッとしました。「本日は、良い発表会に参加させていただきました。ひいては、御社が掲げた目標が達成されるということですね?楽しみにしております」と言われたのである▼実にシンプルで簡単なあいさつでしたが、一瞬体が硬くなり、恥ずかしい思いと忸怩たる思いが込み上げてきました。〈発表会開催が目的になってしまっている…〉▼方針を発表する意図は会社の方向性と目標を内外に指し示し、〈私たちはやります!〉とコミットし、自らを追い込むことに意義があります。さもなければ、ホテルなど使わずに、社内だけで全体会を行い、しっかりと周知徹底すれば済むことです。合理的だし、無駄な費用を使わずに済みます▼しかし、経営方針発表会が単なる社員発表会とか外部懇親会の様相を帯びてくると危険信号が灯ったといえるでしょう。そこに在るべき〈覚悟〉が曖昧だからです。〈覚悟〉という言葉。いつの間にか死語になりつつあるのではと不安を覚えました。▼豊かになった日本で、「ゆとり、ゆとり」と騒がれ、いつの間にか強制やNOを避ける甘い経営者に成り下っていないでしょうか?▼我が身を振り返る…これこそ経営方針の根幹をつくるものですね。

 

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