ここにしかない酒を造る-神谷酒造所 神谷雅樹氏

「南光」という泡盛の酒造所で杜氏を務める神谷さんは、酒造りはもう十七年目になるという色白でスレンダーな四十歳の向上心豊かな好青年です。

 創業が一九四九年で六十三年目を迎えているという。祖父の時代から続く老舗酒造所の三代目ということで、受け継ぎ継続することが沢山ありさぞ大変だろうと思いながらお話を伺う。

「私が入社して、すぐに父親が病に伏せてしまい半年間会話も出来ず、酒造りの話さえできなかった」と衝撃的なお話が始まりました。酒造りが分からないまま日々が過ぎていくと同時に在庫のお酒は減っていく・・仕方なく近くの酒造所に習いに行くしかなかったと。

 

神谷さんが造った酒も商品として出荷しなくては追いつけず、これでいいのかと思いながらも出荷したところ・・・愛飲されている顧客から、「味が違う、香りが違う、造る人が変わったのか?」とクレームに近い電話が入ったとか。

そこに「神谷酒造所」さんのポリシーがあったようです。後に、現在も元気に代表を務めているお父様が言われた「万人受けする酒を造るのではなく、ここにしかない酒を造る」という代表の言葉こそが、「神谷酒造所」のポリシーなのだそう。

しかし、そこでどこの会社にでも起こりうる親子の考え方の違いを感じることになり、神谷さんは全く逆の「万人受けする酒造りをし、出荷数を増やしたい」と訴えたとか。

現在は、気軽に泡盛を飲んでもらいたいという両者の思いから「飲みやすさ」を重視した造酒しているが、最近は代表の言われていた「ここにしかない酒を造る」が気になってきたと神谷さんは言う。

万人受けするお酒と、万人受けしなくてもここにしかないお酒、どちらも「神谷酒造所」にしかないお酒ですが、両方を口に出来る日は近いかもしれません。

 今宵、グラス片手に「南光」で疲れを癒してみませんか?   (仲里涼子)

≪会社概要≫

神谷酒造所 神谷雅樹氏
住所 八重瀬町字世名城510-3
TEL098-998-2108
会社概要
泡盛の製造、販売
 
[おきなわ同友会しんぶん「ニライみらい」 2012年10月号より]
 

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